2020年を振り返る: 書籍編
2020年に読んだ本の中で印象に残った5冊を選びました。
■『私はこうして世界を理解できるようになった』(ハンス・ロスリング、ファニー・ヘルエスタム著、枇谷玲子訳)
名古屋の読書会で『FACTFULNESS』を読んだとき、積ん読になっていたのを引っ張り出しました。
『FACTFULNESS』はデータを見るときに気をつけるべきポイントを教えてくれる本なのに対し、『私はこうして世界を理解できるようになった』はハンスがどうやってこうしたデータの見方を身につけたのかを教えてくれる本です。
厳しい現実に打ちひしがれつつも、それでもあきらめずに前へ進んでいく姿を通して、『FACTFULNESS』で教えてくれたことは決して机上の空論ではなく、実体験を通して生み出されたことだったんだと気付きます。両方読むことで理解が深まりました。
ちなみに、『私はこうして世界を理解できるようになった』は最近英語版が刊行されています。
https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/B0841FG74W/ref=tmm_kin_title_0?ie=UTF8&qid=&sr=
■『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著
読書会で読んだ『FACTFULNESS』、実は再読だったのですが、記憶からきれいさっぱり消えていたので新鮮な気持ちで読めました。
『FACTFULNESS』に出てきた道具は完璧なものではないけれど、現実と冷静に向き合って困難を乗り越えていくために、何ができるかを考えるうえで強い味方になってくれる、とてもいい本だと改めて実感しました。今この時期に再読できてよかったです。
■『今日のガッちゃん』(益田ミリさく、平澤一平え)
4月の緊急事態宣言中に刊行された本。重苦しい空気がそこかしこに漂っていたとき、ネコのガッちゃんの空想に癒されました。
これまでのように、遠くに出かけることは難しいけれど、身近な出来事から想像力を広げることはできる。ガッちゃんの日々から教えてもらったことです。
■『砂漠が街に入り込んだ日』(グカ・ハン著、原正人訳)
■『サキの贈り物』(津村記久子著)
小説を読むことに苦手意識があり、毎年「今年こそたくさん読むぞ」と思ってはほとんど読めずに終わっています。感情移入しすぎてしまうのか、一冊読むごとに疲れ果ててしまって次の本に進めないからだと思います。
この2冊を読み終えた後も疲れたのですが、それ以上に「小説を読むのは楽しい。もっと読みたい」という気持ちが湧いてきました。とても思い出深い本です。
今年は127冊読んでいました。本当はもっと国内外の文学作品に出会いたかったのですが、それどころではない1年を過ごしたこともあり、それは叶わぬゆめとなりました。
何をすべきかを知るために感染症関連の本を読みふけったかと思えば、暗いニュースに打ちのめされて何も手につかなくなったり。エッセイを読みながら「今はもう、こんなことできないなぁ」なんてことを無意識のうちに考えてしまったのも、2020年ならではだと思います。
2020年の読み納めはこの本で、と思っていたけれど、急いで読み終えるのがもったいなくて、2021年に持ち越すことにしました。
ピンとこないところもあるけれど、もっと学びたい気持ちのほうが強くなっています。来年も感染症の本を読むことになりそうです。