ぼんさいメモ

読書と英語学習、そのほかいろいろ

本をゆっくり読むために

今週読む本には入れていなかったのですが、積ん読の山(文庫エリア)を眺めながらふと気になって少し読んでみました。

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『本の読み方』(平野啓一郎著/PHP文庫)

手にとって序文を読み始めたら、心にぐっと響く文がありまして。これはすぐに読もうと、机上の「今週読む丘」に置きました。

 

時と場合によって、速読が求められることもあろうが、それは結局、読書ではなく、情報処理ではないかという考えも、当時から変わらない。

(P. 8「文庫版に寄せて」より)

 

 読書を楽しむ秘訣は、何よりも、「速読コンプレックス」から解放されることである! 本を速く読まなければならない理由は何もない。速く読もうと思えば、速く読めるような内容の薄い本へと自然と手が伸びがちである。その反対に、ゆっくり読むことを心がけていれば、時間をかけるにふさわしい、手応えのある本を好むようになるだろう。

(P. 14「序 本はどう読めばいいのか?」より)

 

耳が痛い……。

 

もともと本を読むのは遅いと思いほうで、速く読めるのは、慣れているジャンルだったり、もともと読みやすい文章だったりするときだけです。速く読めたら、気になっている本をもっとたくさん読めるんだけどなぁ、と思う反面、そんなに急いで読んでどうするんだろう、とも思います。心の片隅にある小さな迷いをちょんちょんと突かれたような気がしました。

 

今は落ち着いた読書環境を作るためにごりごりと本を読むことに集中しているので、どちらかというと急いで読んでいる感覚があります。とはいえ、速く読みたくない気持ちもあるので、ただ気持ちばかり焦っている感じもあります。もう少しゆったりと読書を楽しめるようになりたいなぁ、でも、そんな日はいつ来るんだろう……と思う今日このごろです。

 

ちなみに、この本は大阪の梅田蔦屋書店に行ったときに買っています。「コンシェルジュ文庫」という、全国の蔦屋書店のコンシェルジュ(書店員さん)が選んだ文庫本を集めたフェアで2年前に購入しました。梅田蔦屋書店に行くと、毎回必ず手作りの小冊子が置いてあって、それをいただくのがとても楽しみなんです。「コンシェルジュ文庫」と小冊子は昨年もあったのですが、コロナ禍で行けなかったのが心残りです。代官山や浦和など、行けそうな店舗でも開催されていたんですけど、普段行くエリアではなかったので気が引けました。できれば今すぐ大阪のお店に行きたいけれど、さすがに気が引けるので、もう少し落ち着いたら都内の店舗に行こうと思っています。落ち着く気配、ないですけども……。