ぼんさいメモ

読書と英語学習、そのほかいろいろ

キレイゴトでいいんだ

『ファンベース』(佐藤尚之著/ちくま新書)を読み終えました。ちなみに、写真に写っているシステム手帳のリフィルは読書ログです。

 

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ずっと企業のインスタライブを思い浮かべながら読んでいたのですが、後半に入ってそうとも限らないのかと気づきました(インスタライブは、ファンを作るきっかけにはなるけれど、熱狂的なファンを対象とした施策の手段にはならないなぁ、と)。

 

ファンを大事にし、ファンに喜んでもらえるために努力する、というのは、前職で少し取り組んだことがあります。本書が出る前だったので、ファンベースをもとにやったわけではありません(上司に先見の明があったんですね)。でも、誠実にクレーム対応をしてお客様の本音を引き出し、サービスを見直すきっかけにしたことがあるので、「そりゃそうだ」とうなずく話が多かったです。結果が出るのに時間がかかるから、ともすると批判されやすい、というのも含めて。

 

今の会社はBtoBなので、本書で学んだことをそのまま当てはめることは難しいのですが、それでも、取引先とストレスなくやりとりできるように配慮したり、フィードバックを踏まえて軌道修正したりすることで、信頼関係を築くことはできるんじゃないか、と思って仕事をしています。実のところ、その努力が評価されているのかどうかはわからないんですけど、一応契約は更新されているので、少なくともネガティブな受け止められ方はされていないと思います(たぶん)。

 

最後にまとめられたファンベース施策のポイントの7番目が「キレイゴトを楽しむ」だったのと、最後に引用されたマザー・テレサの言葉は、今の職場に絶望的な気分になっていた私の心を救ってくれるものでした。これまで積み重ねてきたことを全否定されるようなことを言われているので。

 

仕事に限らず、誠実に対応してもひどい言葉を投げつける出来事や人はいます。それは、私の言動が気に入らなかったからだと思うのですが、そういうとき、自分が至らなかった部分を反省しつつも、反省しすぎない(泥沼にはまってしまわない)ことは大事だなぁと改めて実感しています。そういえば、坂口恭平さんの『自分の薬をつくる』にも「聞こえない言葉は聞かない(全方位に配慮しすぎて、言われていない言葉を想像してしまう、という意味だったと思います)」「成果物に対する批判はしても、自分は批判しない」という言葉がありましたっけ。難しいですけど。

 

仕事のことでいろいろ引きずってしまったのが、読了後の感想にまで影響を及ぼしているなぁ(反省)。