ぼんさいメモ

読書と英語学習、そのほかいろいろ

ストックとフロー

昨日少しだけ書いた本、『「顧客消滅」時代のマーケティング』は、「ファンダム(自社のファンを作る)」と「ストック型のビジネス(ファンを少しずつ増やして、ファンに喜んでもらえるサービスを提供する)」をベースに、会社の売上を伸ばしていく方法を紹介しています。

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本書によると、コロナ禍で人々が「自分の心を豊かにしてくれるものは何か」を考えて、「これ!」と思うものにお金を出すようになったことを意味しているのだとか。

 

自分のことを振り返ってみると、確かにその通りかもしれません。気に入ったものをすべて手にできれば幸せかもしれないけれど、手元にあるお金は限られているから、「これ!」と思うものを厳選して選んでいるので。窮屈さはあるけれど、時間も限られているから、これでいいのだろうと思っています。

 

「ストック型ビジネス」と対局にあるのが「フロー型ビジネス」です。新規顧客を獲得するために流行を追い続けることです。実は、今の会社がまさに「フロー型ビジネス」なので、読みながら暗澹たる気持ちになりました。

 

あれこれと工夫してお客さんが増えても、それはほんの一瞬で、次のお客さんを求めてまたゼロからやり直そうとするけれど、やっぱり「フロー」を追いかけているから、手応えがないし、疲れるだけ。それでも、それしかほかに方法を知らないから、同じことを繰り返す。自分自身がこういうところにいるからこそ感じられることだと思うのですが、フロー型ビジネスを続けるのは心身を疲弊させるだけで、いいことは何もないんじゃないかと思います。

 

本書の中に、「社を挙げて「転売ヤー」になるという愚」という一節があります。

会社として、店として「フローを狙う」ということは、悪く言えば「社を挙げて転売ヤー活動をする」ことと同義だが、果たしてそれは持続可能なことなのだろうか。そしてこの「顧客消滅時代」に、果たしてやるべきことなのだろうか。

(『「顧客消滅」時代のマーケティング」P. 76より)

 

今日発売された mizutamaさんのロフト限定スタイルフィットが一瞬で売り切れ、その後、高値で転売されているのを眺めていました。よくある光景ですけど、何度見ても慣れないし、複雑な気持ちになります。

 

mizutama さんは以前からスタイルフィットを愛用していて、何年も前から、ことあるごとに「スタイルフィットとコラボしたい」と言い続けてきたそうです。ついにその夢が実現し、喜びいっぱいのインスタライブを見ながら、「しつこさ」って大事だと感じ、勉強のおともにこのスタイルフィットを使いたいなぁ、と思っていました。かわいい文房具は苦手なんですけど、しつこさで夢を実現させた道具がそばにあったら、くじけそうになっても乗り越えられそうな気がして。

 

ちょうど明日歯医者さんに行くので、帰りにロフトに行ってこようと思っていたのですが、店頭の在庫も一瞬で消えてしまったみたいです。以前、ロフトブングのインスタライブでの発表を見ながら、この商品は数が多くないかもしれないと感じていたので、やっぱりそうだったかー、じゃぁ、しょうがいなー、と思っています。その一方で、事情はあるのかもしれないけれど、転売を続けるのは心身をすり減らすだけじゃないかなぁとも思っています。